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tちゃん応援企画(?)その2。
ポケフレンダー園でのR団側の動きを勝手に文章にしましたすいません。
ほのぼのとシリアスの並行は困難だということを身をもって(ry


ということで覚悟の上で続きからどうぞ。





研究部門からの指示で、ガルーラを一頭捕獲してくることになった。
あまりパッとしない内容に、相方は少々やる気をなくしたようだ。
それでも任務は任務。正直さっさと終わらせてしまいたい。
彼女の興味をあおる言葉を探しつつ、ベルトに装着した自分のポケモンを確認して準備をすすめる。
「この近くでさくっとガルーラを捕獲できるところって言ったら…ポケフレンダー園かな」
「なにそれ?」
ソファーの上でだれていた相方…ふかふかは、聞き慣れない単語に少し興味を示したらしい。
上体を起こしてこっちを見つめている。
というか早く準備しろ。
「サファリパークみたいなところ。でも捕獲対象と仲良くならないと捕まえられないんだってさ」
一番言いたい部分は飲み込み(でないと僕が飲み込まれる)、さらに彼女の興味を引くべく言葉を繋ぐ。
我ながら慣れた物だ。
「行くっ!それ面白そう!」
勢いよくソファーから跳ね起きると、ふかは準備してくると言い残して部屋から走り去っていった。

数分後、すっかり支度を整えたふかと連れ立ってポケフレンダー園へと出発した。
いつもの黒くてダサ…デザインセンスに乏しい制服では入園すら出来ないので、今は二人とも私服だ。
まぁ、工作員だし、変装の一環と言うことで許されるだろう。
うん。そういうことにしておこう。無許可だけど。
とはいえ、しっかりダサ…デザインセンスに乏しい制服を持ち込んできているのはなんとなくやるせない。
ポケットマネーで二人分の入場料を支払い(経費で落ちないらしい)、カゴを受け取って中へ入る。
こっそり侵入することもできたが、それも見つかったときに面倒だ。
なにより、これだけふかが楽しみにしている。
いつものように侵入してポケモンを捕獲する形式に飽きているからこそ、おとなしくポケフレンダー園にまでやってきたんだ。
ここでいつもの形式に戻したりしたら……。
恐ろしい結果しかシミュレートできず、ここで僕は想像を強制終了した。
相方はそんな僕の様子を知ってか知らずか、珍しい色のボールを眺め回して楽しんでいるようだ。
どうせ僕のポケットマネーだし、任務がてら楽しんでもいいだろう。

「さて、ガルーラを探そうか」
「りょーかい」

とりあえず、森の奥のエリアへ向かってみることにした。
生息しているポケモンを眺めながら歩を進める。
ふかはカゴを振り回しながら鼻歌を歌っていた。とりあえずのところは楽しいらしい。
たまに頬をかすめるカゴに気をつけながら、こちらの様子をうかがうポケモン達の様子に目を細めた。
不意にふかが立ち止まって木の上を見つめたので、僕もつられて視線を追う。
そこには枝に紛れて見えづらくはあるが、鳥の巣があった。

「ポッポの巣だね」
「子供がいるのかな」
耳を澄ませてみれば、確かにかすかな鳴き声がする。
「ポッポいいなぁ…」
夢心地な声が聞こえたので僕は内心焦る。
彼女の脳内を映像化する機械がなくてもわかる。
どうせ手羽先とか唐揚げとか、鳥料理のイメージ画像がぐるぐるしているんだろう。
これ以上食べ物の想像をふくらませて空腹にでもなられると僕の身が危ない。
ついでに、ここでポッポの捕食なんてされたらしばらく鶏肉が食べられない。
なごりを惜しむふかを引きずるように、僕は急いでポッポの巣をあとにした。

途中、小さな湖を見つけ、休憩することにした。
コイキングやらトサキントやらが水面ではね回っている。
木陰に腰を下ろしぼんやりと水辺のポケモン達を眺めた。
まだ何も捕まえていないのに、この疲労感は何だろう。
早く終わらせてしまおう。そんでもって、仮眠室を陣取って休もう。
精神的に癒されるこの空間では気を抜くと眠ってしまいそうだ。
草が風にそよぐ音、水がしぶきを上げる音、木漏れ日の光…

あー…なんか任務どうでもいいや…
これは…良い感じに…眠……く…

「うりゃー!!」

ばしゃーん

「冷たぁッ!?」
頭から湖の冷水を被り、一気に意識が覚醒。
「あははははは!」
思わず犯人を睨み付けてしまったが、まぁ誰も文句は言わないだろう。
一方その犯人はと言えば、湖の浅瀬でポケモン達と一緒になって水遊びに興じている。
「ほらほら、もっかいこうたんに『みずてっぽう』!」
ちょっと待てと言う間もなく、体勢を整える隙もなく。容赦なく大量の水しぶきが襲いかかる。
うん、いいよ?
確かに冷たくて気持ちいいよ?
でもこれは…。これは…ッ!!
「……ッ!」
跳ね起きて浅瀬に駆け込む。
今度はふかに容赦なく水をかける。
悪ノリしたポケモン達は標的をふかに移し、また『みずてっぽう』を放った。

「……で」
まだびしょ濡れです。
「制服持ってきててヨカッタネー」
悪びれもせずにふかが言う。しかも若干棒読みだ。
遊び疲れたのか、いつの間にか水ポケモン達はどこかへ泳ぎ去っていた。
こういう形で着替えることになるとは思ってもみなかったのだけれど、準備の良さは流石に慣れてきただけあるな、と思う。
手っ取り早く着替えて帽子を被ると、なんとなく引き締まった気分になる。
ダサ…デザインセンスに乏しいのはもう突っ込まないでおこう。
それはどうやら相方も同じようで、さっきまでのピクニックムードはどこへやら。
目つきも鋭く、まるで捕食者。
「よーし、行くぞー」
「はいよ」
カゴをまた振り回して、ふかが先に森の奥へと走り出す。
いつものように僕はその後を追った。

「ガルーラめーっけ」
「繁殖期だけあってちょっと殺気立ってるね」
こっそりと茂みの中からガルーラの群れを眺める。
こんなにあっさり見つかったのはふかのカンによるところだと思うとちょっと悲しい。
「さてさてっ」
ポケフレンダー園特有の捕獲方法に興奮しているのだろう、上ずった声を出しながらふかがボールを構える。
「ちょっと待って。どのガルーラ捕まえるか決めたの?」
「うん。あいつが一番イキがいいよ」
ふかが示した先のガルーラは、確かに他のものよりも体格がしっかりしているし、毛づやも良い感じだ。
何に使うのかは知らないが、実験にも耐えられるだろう。
ただ、彼女の言う『イキがいい』とは、データ的な意味ではなくて食用的な意味なんだろうな、というのは長年のつきあいで感じた。
「というわけでふかふか、いっきまーす!」
これは邪魔するなと言うことだろうか。
茂みからガルーラの群れへ突っ込んでいった相方を見送って、僕は手近な木にもたれかかる。
下手に彼女の邪魔をして怒られでもしたら、ただでさえ敏感になっているガルーラ達からボコられる事は確実だ。
あれだけの数のガルーラから『ピヨピヨパンチ』やら『メガトンパンチ』やらが飛んでくると思うと寒気がする。
避けきる自信がない…というよりも、避ける気力が起こらない。
今はむしろ、気合いを入れるために『メガトンパンチ』の一発でも食らっておこうかという気分だけれど、そんなことをして本部に戻ってもフサ毛野郎の嫌味回避が面倒だ。
ここはふかに任せておくのが一番無難だろうな。
あくびをかみ殺し、ガルーラとコミュニケーションをとっている相方を眺めるのに徹することにした。
と、その前に。

「あー、もしもし本部?今からガルーラ捕獲に移るから後よろしく」
『なんだその報告の態度は!』
「無線でうるさいよフサ毛。ストパーに失敗したことみんなにバラすよ」
『貴様アアアァァァ』

持っていたインカムから本部へ報告。
どういう仕組みかわからないが(エスパーポケモンの力を使ってると聞いたことはある)とりあえず報告したからこれでいいだろう。
フサ毛が何か言っていた気がするけれど、あくまで必要なのは『報告』であってあいつのお小言を聞くことではない。
ネイティオの形をした悪趣味な(そりゃもう悪趣味な)インカムをポーチに片づけ、僕はもう一度あくびをかみ殺した。

「ふー、やっとガルーラを捕まえる事ができたね!!」
いい汗かいた、と言わんばかりの表情でボールを握りしめる相方に、僕は軽くため息をつく。
まぁ、楽しんでたならいいんだけど。
「ふか……そんなに騒いでガルーラに狙われても困るぞ?……あれ、その子ガルーラは?」
僕らはまだガルーラの群れの近くにいるわけで。そんな中、相方の足下でおろおろと辺りを見回している子ガルーラに気がついた。
「ああ、これ?なんか親のポケットにいたんだけど研究員は親だけでいいから捨てろって」
「へぇ……」
淡々と言うようになったなぁ、この子も。
僕の影響だろうか。それは嫌だ。
「まあ僕らの任務も終わったし、その子はここに置いてっていいんじゃない?」
研究に必要ないなら捕まえる意味もない。
元々同族意識の強いポケモンだから、置いていっても他の親が拾って育てるだろう。
そう判断しての発言だった。
「いやいや、それだからこうたんは……」

カチャ

「やっぱここは自分のポケモンも慣らさなきゃダメでしょー」
わずかな寒気。
瞳に少し宿る狂気に気づいて、僕はもう一度ため息をついた。
こうなったら何を言っても聞かないのはわかりきっている。
「……まあ好きにすれば?」
縋るようにこちらを見ていた子ガルーラの目にはかすかだが絶望の色が宿った。
とてとて、という擬音にぴったりの足取りで子ガルーラが走り出す。
それを楽しそうに目で追いながら、ふかの手はボールを構えようとする。
子ガルーラが転んだのと見知った顔が現れたのはほぼ同じタイミングだった。
おっと、これはこれは……。


「……なんでお前らがここに?煌夜とふか…」


驚く知人の顔。
嘘のように目が冴えてきた。
楽しくなるかもしれない。

ねぇ、ふか。

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無題
続きからどうぞ まで読んだ

> ダッツ
味噌が入ってる辺りさすが味噌ッ子
Fen 2008/06/13(Fri)21:48:10 編集
無題
>フェン
味噌は好きだけど味噌ッ子の称号を得るほどではないんだぜ
煌夜 2008/06/17(Tue)21:12:54 編集
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